患者さんにとって、歯並ならびとかみ合わせの矯正は、けっして楽な治療ではないと思います。
長い期間、歯がうく感じや、わずらわしさを体験しながら、そのうえに、きちんと“歯をみがきなさい”“装置をつかいなさい”“通院日時をまもりなさい”と、“しなさい”づくしを要求されるからです。
しかし、治療の結果をより良くしたり、期間を少しでも短くするためには、この“しなさい”づくしはとてもたいせつなことなのです。
患者さんによっては、この“しなさい”づくしをいとも簡単に実行してしまう人もいますし、そうでない人もいます。
私たち治療をおこなう側の者にとって、最もうれしいのは、矯正装置をはずすときの患者さんの笑顔に接するときです。
“しなさい”づくしで努力した患者さんほど、ひとつのことをなしとげたことに対する感動が大きいのが笑顔からくみとれます。おそらく、これからの社会生活でのいろいろな困難にであっても、最後まで立派になしとげてくれることと思います。
矯正治療をはじめられる皆さんが、最後までがんばって、美しく整った歯ならびとかみ合わせになり、すばらしい笑顔ができることを願ってやみません。