矯正歯科治療は、歯が痛いものだと思っている人がいます。
痛みの原因は、歯が動く時に歯根の周囲、厳密には歯根膜周囲の炎症です。
歯根膜とは、歯とその周りの骨との間にある歯を支える組織のことで、他にも感覚受容器として、食物の硬さを認識し、噛む力の大きさにも敏感に反応する組織です。
ただし、痛みの感覚は個人差が大きく、あまり痛みを感じることなく治療を終える人もたくさんいます。
歯が動くのは、歯根の動く方向の骨が吸収して、動いた反対側には新しい骨ができるからです。この骨の吸収初期は、炎症と同じような反応が起きます。
その結果、虫歯の痛みとは異なる、噛むと鈍い痛みや歯が浮いたような感じがします。この痛みは調整時から数日で消失します。
その一方で歯を動かす力が強すぎると、その分、炎症反応も強くなることも事実です。
そのことより弱い力で優しく歯を動かすことを配慮しています。
これらにより、痛みや不快感を軽減しています。