矯正歯科は,専門性の高い治療です。
矯正歯科は,大学の歯学部で通り一遍の教育を受けますが,それだけで実際の治療を行えるものではありません。卒後の長時間の研修が必要です。
そのため、ほとんどの人は大学の矯正歯科に残り矯正歯科に専修して研鑚を積みます。
矯正歯科治療は,一派的なケースで、始めから終わるまで二年ほどかかります。その後、経過をみるのに同じぐらいの時間を要します。
また、早期治療といって、小学校の低学年に一度、現時点での問題点を部分的に治療し、その後、経過をみて高学年、もしくは中学生で、永久歯列になってから再度、全体の治療を行うこともよくあります。
すると7、8歳の人が矯正歯科治療をして、その後、顎の成長発育の状態では、成長発育が完了(男子18歳、女子16歳)するまで、さらに歯列の発育で第三大臼歯(親知らず歯)が関連している場合などは20歳位までをみる場合もあります。
その間の顎、歯列、顔面、心の成長発育を予想し、様々な機能、例えば咀嚼、嚥下、呼吸、姿勢、習癖などを個別に把握し、管理対応する能力を必要とします。
さらに、日々入る細分化した情報や技術革新も組み入れてこなければなりません。
このように多岐にわたる矯正歯科治療の実践には、目安として100の治験を経て、ようやく大概の治療に対処できるものです。
ただし、100という数は、大変な数字で、100本の抜歯なら半年で可能かもしれませんが、矯正歯科治療では、専修で5~8年はかかります。
つまりは、特別の知識と経験が必要です。簡単に本や講習会で学べるものではありません。
現在では他にも、矯正歯科治療に関連する咬合分野の特に顎関節、そして虫歯予防の専門的知識、また成人の歯を動かすにあたっての歯周病に関する知識も必要とされています。
そんな状況で、一般歯科治療の虫歯、歯周病、歯の欠損治療のブリッジや義歯、さらにはインプラントと、同時に高水準で治療を続け、矯正歯科治療の担い手となるのは容易なことではありません。
世界の先進国では、矯正歯科治療を専門としている人は大勢います。
最も得意分野で専従することが、治療の質を高め、より人々に貢献できると信じるからです。